草屋根の始まりは、1998年竣工の「御影草屋根の家」が、ワンフロア12坪と小さいため、屋根裏にならざるを得なかった子供室の環境改善でした。
屋根の上に土を載せ、芝生で覆った草屋根の家。
夏涼しく、その断熱効果は、夏場の屋根からの熱の侵入をカラーベストで葺いた場合の20分の1にすることがわかりました。
◎温度シミュレーション結果
◎冷房負荷
(表:大阪府立大学 山田宏之教授による解析結果から)
YURI DESIGNでは、「御影草屋根の家」にスタートして、木造傾斜屋根の竣工実績が40件になります(草屋根の実績についてはこちらをご覧ください)。
「草屋根」とは、正しくは「緑化屋根」となりますが、より親しみやすくなるよう「草屋根」と呼ぶことにしました。
断熱効果だけでなく、季節ごとに咲く花を楽しんだり、野菜を収穫したり。
また、屋根に寝転がって、満点の星を眺めたり。
雨水は、一旦、屋根の土に保水されるので、下水に流れるのに時間差ができ、都市洪水を緩和します。
地球の表皮である地表が、屋根の上に皮膚移植されることにより、温湿度の調整をつかさどり、虫たちなどの生態系を保存します。
町全体で、屋根を緑化すると、ヒートアイランド現象の緩和につながります。
2010年10月に「草屋根の会」を発足しました。
YURI DESIGNで設計した草屋根に住まうオーナー同士の意見交換の場の提供と、これから草屋根を設計したり施工したりしたい技術者の勉強の場を兼ねて、YURI DESIGNが事務局となり、活動しています。