• 経年でゆがんできたわけではなく、もともとのようだ。

    よく見れば、左右互い違いに縦樋があり、そちらに向かって勾配が付けられている。

    片方に造れば目立たないものを、そんな揺らぎのようなものを作りたかったのかな?

    yuri

  • 築40年、リニューアルオープンした姫路にある兵庫県歴史博物館にて、実施設計のわれらが沢田伸さんの講演会があるというので、駆けつけました。

    基本設計の丹下事務所で担当した堀越英嗣さんのお話も伺えました。

    国立代々木競技場や大阪万博に心を動かされて、建築の道を選んだとのこと。

    ご苦労話も面白く、あっという間の1時間半でした。

    yuri

  • 南淡路市の「若人の広場」は、鳴門海峡と福良湾を見渡せる絶景のロケーション。

    1967年に完成。丹下健三による、学徒戦没者を慰霊するモニュメントと展示施設からなります。

    ペン先をモチーフとしたモニュメントの、滑らかな曲線と斜めのグリッド、それを埋める型枠の木目が、ち密に計算され、施工されています。

    ロケーション、建築、そして平和への願い。

    たくさんの人にぜひ訪れてほしい、と感じました。

    yuri

     

  • 3月28日、神戸市居留地にある美しい近代建築「真珠会館」を設計者の光安(みつやす)義光さんのご子息、義博さんのご案内で見学させていただきました。

     

    1952年竣工。

    神戸の重要な産業である真珠の加工・輸出のために戦後兵庫県と関西真珠協同組合が合同の建設委員会を設立して建てられました。

    入口の前の贅沢な敷石は、少し凹んだアールで、踏面を確保。

    窓に取り付けられた面格子は、ビミョーに傾けて取り付けてあります。

    床には地下に光を落とすための円形のガラスブロック。

    1階の外壁は黒御影、2階以上はブルーのタイルです。

    地下ボイラー室に落ちる光。

     

    階段は緩やかで幅も広く、薄い蹴込が丁寧に作られています。

     

    廊下にある室名札は、欄間に取り付けられていて、後ろから光が当たると浮き出る美しいデザイン。

     

    蛍光灯は上に反射板を取り付けずに、天井を照らして、やわらかく部屋の照度を上げる仕組み。

     

    それぞれの階段も美しく。

    4階から屋上に上がる階段は、オブジェのよう。

     

     

    避難階段は、コンクリートと鉄の組み合わせ。

     

    4階は真珠の鑑定のために光の質にこだわったガラスの部屋だが、コンサート利用なども想定されて、天井には吸音板が、柱は微妙にアールになっていたりする。

     

    ムメの無い、不思議なすべり出し連窓。

     

    阪神淡路大震災の激震地にあってガラス1枚割れなかった耐震性を誇るが、老朽化のため今月末で閉鎖されるとのこと。

    まさしく神戸の真珠のような美しい建物をきれいにして使える方法はないものか?と切に願う。

    yuri

  • 先日ヘリテージマネージャー大会in神戸が行われ、午前中「松尾ビル」を、こちらの4階に事務所を構えるヘリテージマネージャーの竹内明子さんのご案内で見学させていただきました。

    大正14年(1925年)開店。設計は竹中工務店の松下甚三郎。鉄筋コンクリート造5階建て。

    エレベーターは、一般の人を載せて現在も稼働する、日本最古のものらしい。

     

    アーケードにより、ファサードをみられないのが残念ですが、もうすぐ100歳を迎えるこのビルには、

    おしゃれなアクセサリー工房や、靴工房、光のきれいな階段室にある画廊など、今も活き活きと使われているのが魅力です。

    yuri

     

     

     

  • まずは1903年創立、日本最古のゴルフクラブ「神戸ゴルフ倶楽部」へ。1932年ヴォーリズによって建替えられたクラブハウスは今も現役です。

     

    すっかり腰に収まるガラス戸と雨戸のシステムに「おーっ」と歓声が。

     

    途中美しい蓮池に出会いました。

     

    旧小寺山荘は、1934年に建てられ、今はアメニティ2000が所有しています。

    隅々まで丁寧に案内いただいたあと、おいしいカレーを頂きました。

     

    横に3000坪の敷地「きょうだいの森」が会員によって整備されて、2007年に解体された須磨区にあった旧室谷邸の玄関廻廊部分が移築されています。

     

    いつも大好きケーブルカー。紫陽花がまだまだ満開でした。

    不思議な出会いのたくさんあった、夏の1日。

    企画のモノコミュ研究所さん、ありがとうございました。

    yuri

  • 学生時代にもっとよく見ておけば良かったと、今更ながら、橋寺知子准教授によるJIA主催のツアーに便乗させていただきました。

    簡文館。1928年にできた関西大学初のRC造で、現存する最古の建物に、1955年に村野藤吾が増築した。

    トップライトや構造が特徴的。

     

    外観のタイルや窓枠もカラフルで複雑にデザインされている。

     

    第1学舎2号館。大教室につながる大階段。

     

    第3学舎1号館。浮いたように見える階段。

     

     

    専門図書館。

    円柱の取り付き方が繊細。

    学生の時は、時々ここで勉強た記憶があります。

     

    ほとんど休憩なしの4時間あまりのツアー、まだまだ見どころは満載ですが。

    皆様お疲れさまでした!

    yuri

     

     

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    電車から何度も見ているのに、実はちゃんと見ていなかった、村野藤吾設計の「カトリック宝塚教会」。

    初めてゆっくり見学させていただきました。自由な造形。

    内部は、自然光が曲線を描く板が貼られている天井に揺らめいて優しい。村野藤吾設計の椅子の座を、信者さんたちがロープで編みなおしているのを見て、大事にされているのだなあとつくづく感じました。

    yuri

     

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    歴史的建築物を発見したり修復したり、保存したりすることを目的としたひょうごヘリテージ機構H2O神戸が主催するセミナーです。

    現行の建築基準法に合わないからといってあきらめないための「3条」。

    ご興味のある方はぜひご参加ください。